最近、焼き菓子を食べていて、“香り”の存在感が変わってきた気がします。
バニラの余韻。発酵バターの香ばしさ。塩味の静かなアクセント。
以前は、「甘い」「濃厚」といったわかりやすい満足感が中心だったものが、今は“香りを楽しむお菓子”へ少しずつ変わってきている印象があります。
CHANOAでは、和菓子だけでなく、“茶の時間”に合う焼き菓子も大切にしています。
その中で感じるのは、“香り”や“余韻”を大切にしたお菓子が、和の感覚にも自然につながっていることです。
今回は、なぜ今、焼き菓子に“香り”が求められているのかを考えてみたいと思います。
“甘さ”より“余韻”を楽しむ時代へ
以前の焼き菓子は、「濃厚さ」や「バター感」を前面に出すものも多くありました。
もちろん今でも人気ですが、最近は少し変化も感じます。
たとえば、甘さを強くするよりも、香りや後味を楽しめるもの。
- バニラの香り
- 発酵バターの余韻
- 塩味のバランス
- 焼き目の香ばしさ
そうした“静かな味わい”を楽しむお菓子が増えてきました。
これは、和菓子の文化にも少し似ている気がします。
強く主張するのではなく、“余韻を味わう”。その感覚が、今の焼き菓子にも自然に広がっているのかもしれません。
VANISTAのような“香りを楽しむお菓子”
最近印象的だったのが、VANISTAのクッキーです。
ただ甘いだけではなく、バニラの香りがゆっくり残る感覚がありました。
さらに、沖縄の雪塩による塩味が、甘さを強くしすぎず、“余韻”として残ります。
これは、和菓子の“静かな甘さ”にも少し近い感覚があります。
強い刺激ではなく、“香りを楽しむ”。
最近の焼き菓子には、そうした方向性を感じることが増えてきました。
和菓子にも通じる“余韻の文化”
和菓子は、もともと“余韻”を楽しむ文化があります。
たとえば、羊羹の小豆の香り。最中の皮の香ばしさ。抹茶の苦味。
どれも、派手な味ではありません。
口の中に静かに残る感覚を楽しむものです。
最近の焼き菓子も、その方向へ少し近づいている気がします。
特に、日本茶やコーヒーと合わせて楽しむ焼き菓子は、“茶の時間”を整える存在として和菓子と近い立ち位置になってきています。
コーヒーや日本茶との相性も変わってきた
香りを楽しむ焼き菓子が増えたことで、お茶との組み合わせも面白くなっています。
日本茶
煎茶やほうじ茶は、バターや焼き香とも意外によく合います。
特に、塩味や香ばしさのあるクッキーは、日本茶の渋みとも自然につながります。
コーヒー
コーヒーとの組み合わせでは、バニラや発酵バターの香りがより立体的に感じられます。
最近は、和菓子とコーヒーを合わせる人も増えていますが、“香りを楽しむ”という点では、焼き菓子との距離もかなり近くなっています。
“派手さ”より“静かな満足感”へ
最近は、見た目のインパクトが強いスイーツもたくさんあります。
ただその一方で、“静かな満足感”を求める流れも強くなっている気がします。
たとえば、百貨店で長く愛されている焼き菓子。
銀座ウエスト、黒船、VANISTAのように、派手さではなく、“香り”や“余韻”を大切にしているブランドには、どこか共通した空気感があります。
それは、“和の気遣い”とも少し近い感覚かもしれません。
CHANOAが大切にしたい“茶の時間”
CHANOAでは、和菓子だけでなく、“茶の時間を豊かにするもの”を大切にしています。
それは、日本茶だけではありません。
コーヒーや焼き菓子も含めて、“静かな時間”を楽しめるもの。
香りや余韻をゆっくり味わうこと。
そうした感覚は、茶道の精神にも自然につながっている気がします。
まとめ
最近の焼き菓子には、“香り”や“余韻”を楽しむ流れが少しずつ広がっています。
バニラ、発酵バター、塩味、焼き香。
そうした静かな風味は、日本茶やコーヒーとも自然に合い、“茶の時間”を豊かにしてくれます。
甘さだけではなく、“余韻を楽しむお菓子”へ。
その感覚は、和菓子の文化とも、どこか静かにつながっているのかもしれません。